インカレサークル古武術部

心と体の護身術〜自分と大切な人を守る技術〜

「こんにちは」「どうも」

  • 板山

言の葉の庭を観ました。新海誠監督の作品です。

それで印象的だったのは、主人公の男の子とヒロイン?の女性の2度目の出会いのシーンです。

女性が「こんにちは」と言うのに対して、男の子が「どうも」と返します。

これは僕が勝手にそう思ったという話ですが、もともと男の子は警戒心が薄いというか、空気に溶けるようなオープンな意識を持っています。

それが、「どうも」と言った瞬間にシュッと縮まり、相手に対して壁が生まれました。

相手と上手く繋がれない感覚によって、伸ばした触手をシュッと縮める感じです。

行き場のないエネルギーがモヤモヤと漂います。

一方、女性の方は初めから心を閉ざしています。
どこか傍観者のような雰囲気です。

ひとつ壁を隔てた場所から、「こんにちは」と笑顔で言うことができます。

相手に積極的に介入する事ができますが、意識のベクトルを相手に向ける事で自分を守っています。

でも、繋がりたいとは思っているようです。

この関係性に、なんというか既視感を覚えました。

いや、自分の記憶の中にあるものが、アニメに投影されたのかもしれません。

稽古の話をします。

例えば組手で、こちらが相手に攻撃を仕掛けるとします。

構えて、突きを出したりするのですが、その瞬間にシュッと自分が小さくなってしまう事があります。

意図を持って相手に介入しようとした瞬間に、自分の意識がクローズになってしまうのです。

これは不思議なことです。

相手と関わるというのはオープンになるという事のはずなのに、逆に閉じてしまうのですから。

ひとつ思うのは、相手に何かを伝えようとするという事は、その時点で対立構造が生まれているのではないかという事です。

だからぶつかります。

「ああしよう、こうしよう」という強い意志が、その実現を妨げます。

相手に近づこうとする意図が、相手との距離を遠ざけます。

そのような関係性では、お互いがお互いの存在に違和感を覚え、居心地が悪くなります。

武術で目指すコミュニケーションは、これと真逆です。

違和感なく相手に近づき、居心地良くする技術です。

だから、言の葉の庭の「こんにちは」「どうも」というやり取りが、上手くいかない時の稽古のワンシーンに見えてしまったのだと思います。

逆に、ラストシーンは見事でした。

2人の心が解放されて、前を向けるようになり、僕としても大変満足です。

素敵な映画だし短いので、アニメに抵抗がなければ僕はオススメします。

あと、今ちょうど「すずめの戸締まり」が公開中ですので、同じ新海誠監督作品としてそちらもオススメです。

こちらも傑作でした。

って、ここは映画鑑賞部ではなく古武術部です。
映画のオススメをしても仕方がないですね。

今回の記事では、コミュニケーションのちょっと微妙な部分に焦点を当ててみました。

このあたりを上手にコントロールして相手の心に入り込む輩もいますから、気を付けてくださいね!

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